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情報インフラの整備が社会資本整備の新たな展開として取り上げられ、平成5年度以降の補正予算に組み込まれるなど、当初は経済対策の一環としての性格が強かったのも事実である。しかし、欧米諸国等の先進的な情報化の状況、また、我が国の官民情報格差による民間の負担軽減等が論議され、行政情報化の立ち遅れている面が実態として明確になってくるに伴い、情報通信基盤の整備とともに、行政の情報化は今後の我が国の社会経済の健全な発展と国民生活の向上にとって、欠くことのできないステップとして推進されることとなった。

なお、94年8月、我が国全体の情報基盤整備についての施策を総合的に推進するため内閣に「高度情報通信社会推進本部」が設置され、95年2月、「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」が決定されたが、この中でも行政の情報化の推進は公的分野の情報化の重要な柱とされている。

 

(2)行政情報化推進基本計画

政府としての中期的な推進計画を策定するため、94年3月に各省庁で了承された「行政情報化推進計画作成要領」により、推進計画は平成7年度を初年度とする5か年計画であってすべての行政機関を対象とし、「基本計画」、「共通実施計画」及び「各省庁別計画」から構成されている。

「基本計画」は政府全体としての取り組み方針や整備方針等を定めた基本的事項と、これに基づいて各省庁が共同、分担して実施する共通実施事項等を盛り込んだものであり、上述のとおり、94年12月に策定された。[共通実施計画」は基本計画の共通実施事項等を実施するためのもので、95年3月に策定されている。また、「各省庁別計画」は基本計画を踏まえて各省庁がそれぞれ策定するもので、平成7年度内にすべての省庁が策定を終えている。

「基本計画」は、第一・行政情報化推進の理念、計画目標、第二・情報化推進基盤の整備方針、第三・共通実施事項、第四・推進体制の充実強化、第五・地方公共団体との連携・協力、第六・推進計画の見直し及び進捗状況の公表の六章から構成されている。

この基本計画の重要な点は、「情報化推進の理念」において、行政情報化は「行政のあらゆる分野において情報通信技術の成果を普遍的に活用し、行政の質の高度化、国民サービスの質的向上を図ることを目的とするものである。」と規定するとともに、行政情報化を「行政の事務・事業及び組織を通じるシステムを改革するための重要な手段と

 

 

 

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